中古車に決まった価格はありません。その価値は、今週近隣で似た車がいくらで掲載されているかで決まり、在庫が売れて販売店が値下げするたびに毎日変わります。在庫の値付けをする販売店、「適正価格」バッジを表示するマーケットプレイス、市場を追うアナリストが必要としているものは同じです。それは、複数のポータルと地域にまたがる掲載情報の継続的な記録です。これは1点1点がすべて異なる市場向けのプライスインテリジェンスであり、どこでも同じように売られる商品の追跡とは異なる構成が必要です。
このガイドでは、何を収集するか、地域と重複をどう扱うか、そしてプロキシをどう設定するかを解説します。
自動車の掲載情報が特殊な理由
自動車のモニタリングには、一般的な小売価格の追跡とは異なる点が3つあります。
1台1台がすべて異なる。 スマートフォンの機種なら店舗ごとに価格は1つです。同じメーカー、モデル、年式の車でも、走行距離、グレード、オプション、色、履歴によって数十万円単位の差が出ることがあります。同条件のもの同士を比較するため、価格だけでなく属性が必要です。
市場は地域ごとに分かれている。 購入者が車のために遠くまで出向くことはまれなので、ポータルはある地点からの距離で並べ替えや絞り込みを行い、価格も地域によって異なります。あるモデルが、ある都市圏では数百キロ離れた別の都市圏よりも早く、高く売れることもあります。
同じ車が何度も掲載される。 販売店は1台の車を、自社サイト、2〜3のマーケットプレイス、クラシファイドサイトに同時に掲載することがよくあります。照合しなければ、データ上では3〜4台として数えられてしまいます。
収集すべきデータ
掲載ごと:
- VIN(表示されている場合)と、各ポータルにおける掲載ID。
- メーカー、モデル、年式、グレード、走行距離、燃料の種類、トランスミッション。
- 販売価格と通貨、および値下げ時に表示される「値下げ前」の価格。
- 売主の種類(販売店または個人)と、販売店名および所在地。
- 掲載を最初に確認した日と、掲載が消えた日。
派生指標:
- 掲載日数: 最初に確認した日から掲載が消えるまでの日数。地域ごとのモデルの需要を示す、単独で最も有用なシグナルです。
- 値下げ: 売れるまでに掲載価格がどのくらいの頻度で、どれだけ下げられたか。
- 供給: ある地域に同時に掲載されている比較可能な車の台数。
掲載が消えたとき、売れたのか取り下げられたのかは通常わかりません。「消えた」を売却の可能性が高いとみなすのは、連続して何度か確認した後にとどめ、成約価格ではなく最後の販売価格を記録してください。
地域: 購入者がいる場所から検索する
ほとんどの自動車ポータルは、地域と検索範囲の入力を求めるか、訪問者のIPから自動的に設定します。1か所のデータセンターから収集すると、1つの地域しか見えないか、ポータルが勝手に地域を決めてしまいます。
次の2つの方法を組み合わせて使います。
- 検索条件そのものに地域を指定する。 ポータルで都市名や郵便番号と検索範囲を入力できる場合は、必ず指定します。
- その地域のIPからリクエストを送る。 こうすることで、ポータルのデフォルト設定、通貨、地域ごとの掲載情報が、地元の購入者が見るものと一致します。都市ターゲティングを使えば調査対象の都市をカバーできます。この粒度がどのような場合に役立つかは、都市レベルのプロキシターゲティングが重要になるときで解説しています。
ドイツ、フランス、ポーランドでのあるモデルの価格比較など、国をまたぐ調査では、通常は国単位のターゲティングで十分であり、各国の主要ポータルがデータソースになります。
ポータル間で同じ車を照合する
重複掲載は、自動車データにおける最大の誤差要因です。
- VINが公開されている場合はVINで照合する。 正確に一致します。
- 公開されていない場合は複合キーを使う。 メーカー、モデル、年式、一定範囲内の走行距離、販売店、所在地を組み合わせます。販売店が数値を丸めるため、走行距離がポータル間でキロ単位まで一致することはまれです。
- 1台につき1レコードを保持する。 その車が掲載されているポータルの一覧と、各ポータルでの価格を記録します。同じ車が同時に2つのポータルで異なる価格で掲載されていること自体が、有用なシグナルになります。
同じ問題は不動産データでも起こり、手法はそのまま応用できます。照合ルールの詳細は、複数ポータルにまたがる物件情報の集約に関するガイドで解説しています。
プロキシの設定
| 作業 | ローテーション | ターゲティング |
|---|---|---|
| 地域ごとの検索結果ページ | リクエストごと | 対象地域の都市または地方 |
| 掲載詳細ページ | リクエストごと | 検索と同じ地域 |
| 複数ステップのページ(ローン見積もり、オプション) | スティッキーセッション | 同じ地域 |
| メーカーのコンフィギュレーターの価格 | リクエストごと、複数ステップの場合はスティッキーセッション | 国 |
自動車ポータルは大規模で保護の厳しいサイトであり、多くの自動化トラフィックを受けています。次のような習慣で、収集を安定させることができます。
- レジデンシャルプロキシを使い、リクエストごとにIPをローテーションして、1つのアドレスから数千回のアクセスが発生しないようにします。
- ポータルごとのリクエスト頻度を低く抑え、作業を1日の中に分散させます。自動車の在庫が分単位で変わることはありません。ほとんどの用途では、地域ごとに1日1〜2回の巡回で十分です。
- ポータルが公開している場合は、写真ギャラリー付きのページ全体をレンダリングするよりも、ページが読み込むJSON形式の掲載データを優先します。軽量で、より安定しています。
- 保存する前に、すべてのレスポンスが本物の検索結果ページであることを確認します。ポータルからチャレンジを受けた場合は、間隔を詰めるのではなく、時間をおいて再試行します。
このデータを使うのは誰か
- 販売店は、新たに入荷した車の価格を近隣の比較可能な在庫と照らし合わせて設定し、競合が類似車を値下げしたタイミングを把握します。
- マーケットプレイスや査定サービスは、販売価格のばらつきから価格ガイドや「お買い得」ラベルを作成します。
- 金融機関や保険会社は、ローンや保険金請求のために中古車の価値を追跡します。
- メーカーやアナリストは、モデルや地域ごとの供給と掲載日数を追跡して需要を読み取ります。
まとめ
自動車の価格モニタリングは、地域性が強く、属性が多く、重複だらけです。各車を比較可能にする属性を収集し、実際の購入者が検索する地域から検索し、数える前にポータル間で掲載を照合し、掲載日数と値下げを継続的に追跡しましょう。都市ターゲティングとリクエストごとのローテーションを備えたレジデンシャルプロキシなら、重要なポータルと地域にわたって安定した収集を続けられます。